「情熱高志」第2号 ー憧れの人と12年ぶりの再会。 だけど…ー
このマガジンは、デザイナーから漫画家に転じた「まえだたかし」が記す前田デザイン室限定コンテンツ「たかしの世界」に加筆修正し、再編集した密着ドキュメンタリーレポートです。
***
〈前回までの道のり〉
「ぼくは、漫画家になる。」
前田はデザイナーをやめ、30年以上閉じてきた心のフタを開ける決意をして、漫画家になった。コルク佐渡島庸平氏より漫画家育成のFACEBOOKグループに招かれ、仕事に追われつつも初作品を描き上げる。新人漫画家・まえだたかしが、その一歩を踏み出した…
***
2018年11月7日。
前田は、憧れのデザイナー・水野学氏と12年ぶりに再会した。
今から12年前。
前田が転職を考え面接に向かった先が、水野氏率いる「good design company」。
面接当日のことは、前田の胸に大きく刻まれ、自身のブログにも綴られている。
佐渡島氏からのコメントに喜ぶ前田。
心動いた出来事、描きたい気持ち、嬉しいコメント。
ペンを走らせるための材料は、これで十分。
しかし、時間が取れない……。
描きたい。
描かなければ、漫画家への道は進まないのに。
(「たかしの世界」より抜粋)
時間の制約に加えて、まだ漫画を描き慣れていない。
そんな前田にとって、完成への道すじは、はるか遠くに感じたに違いない。
週末は、前田のトークイベントと重なったこともあり、2作目は、水野氏との再会から6日が過ぎてから描き上げた。
タイトルは「憧れの人」。
(「たかしの世界」より抜粋)
物語。
感情。
見せ方。
伝えたいこと。
漫画を描くために必要な要素たちが、頭の中で駆けめぐる。
何のために描こうとしているのか、その理由さえも、わからなくなるかもしれない。
この2作目を読んで佐渡島は、具体的なアドバイスをくれた。
(「たかしの世界」より抜粋)
この次はこう描けばいいんだ!、という光が見えるアドバイスは、前田の不安な気持ちを察してのことだろうか。
何はともあれ、2作目が形になった!
たかし、お疲れさま!!
さて、突然の漫画家宣言から2週間。
前田の家族は、彼のことをどう思っているだろうか…?
率直に伝えてくれるということも、家族の愛。
そう言えるのかもしれない。
しばしば落ち込むのも無理はない。
たかしの「まんが道」は、まだ始まったばかりなのだから。
今年、前田は講演に呼ばれる機会が、たくさんあった。
すべての講演で仕事も感情もさらけ出し、自らを素直に語ってきた。
漫画という手段で表現することに、今は不安も多いだろうが、さらけ出しが原稿用紙の上で本領発揮された時、きっと誰かの心に刺さる作品が生まれるに違いない。
負けるな、たかし!
頑張れ、たかし!
描いて描いて、描きまくれ!
***
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私たち「情熱高志」編集部は、これからも「漫画家 まえだたかし」に密着し、情熱をもって描く彼の姿を書き記していきます。
あなたも私たちとともに、彼のまんが道を見守っていきませんか?
「情熱高志」は毎週水曜日21時に配信します。
次回の配信は、12月12日を予定しています。お楽しみに!
***
テキスト・編集:土田 真巳・浅生 秀明
バナーデザイン:土田 真巳
編集長:浅生 秀明