「躊躇せずに人生を楽しむ」
ぼくは何事も楽しく生きることを大事にしていて、楽しくない仕事はないのがモットー。でも楽しむためには、自分が楽しいと思う何かに出会うこと。そのために大事なのが「躊躇しない」というキーワード。
今日は、この「躊躇しない」ことについてぼくがやってきたこと全ての話をする。
躊躇しないキャンペーンとは?
「躊躇しないキャンペーン」
これは僕が考えた名前なんだけど、この言葉を僕が意識し始めたのは、2017年の7月くらいかな。
今までも仕事は順調だった。でも、いまいち広がりがないなと思って。とにかく目の前に飛び込んでくる興味があるもの全部に食らいつこう。それが躊躇しないキャンペーンの意味。
「キャンペーン」っていう名称はノリでつけたんだけど「〜やろう」じゃなくて、はっきりと言っちゃうとすぐ行動できるって発見した。ずっと頑張るのもしんどいから、そうした方がハードルが下がってちょうどいい。
それから「躊躇しないキャンペーン」はキャンペーンだからしかたない、って言えるのが便利だと感じている。例えばオンラインサロン入るって誰かに言った時に、人の目を気にする人は「キャンペーン中なんで」ってキャンペーンのせいにできちゃうのがいいんだよ。
これまで躊躇しなかった経験
この「躊躇しないキャンペーン」の前に、ぼくのこれまでの人生においての躊躇しなかった経験について話をする。
・美大に行くと決めたとき
僕の人生において結局一番楽しかったのは、美大の浪人時代。どこにも受からないかも、才能がないのかもって追い込まれていた。
高校時代は弓道をやっていてそこそこの成績を収めていたから、大学もスポーツ推薦で行く資格はあった。だから親も先生も、そのままスポーツ推薦で進学するんだと思っていたらしい。そんな中、夏休み直前に弓道の先生が言った一言が今でも心に残っている。
「君たちええなあ。若いからなんでもできるやん。総理大臣だってなろうと思ったらなれるやん。」
この言葉が、ぼくの全てを変えた。
「やりたいことはやらないと後悔するから、お前ちゃんと頑張れよ。」って言ってくれた気がして、ものすごく心に刺さった。だから弓道のスポーツ推薦で進学するのはやめて、本当に自分がやりたい絵の道に進もうと決めた。絵の話は今まで親にしたことがなかった。だって否定されたら傷つくから、本当にやりたいことは言えなくて。
親はびっくりしていたし、怒ってた。「あんた絵なんて描けるの?」って。ぼくは「わからん!やってみないとわからへんやん!」って言った。
でも受験で失敗して浪人することに。親に申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、父親が味方してくれた。「4人も兄弟いたら1人くらいそんな奴がいたほうが面白い。4浪でも5浪でもしたらいい。」って言ってくれた。この言葉が本当にありがたくて。
だからこの1年はストイックにやろうと覚悟を決めた。友達も敵だと思ったから喋らない!…と言いながらも結局はだんだん喋るようになったけどね。でもそれぐらいの気概でストイックに毎日やってきた。苦しかったけど、今から思えばその日々は本当に楽しかった。
ぼくは「脳で生きている人間」だと思ってる。人にはいろんな喜びがあると思うんだけど、脳が気持ちいいと感じる瞬間が好きだ。それは何かを頑張ったり、誰かに褒められたりとかそういう瞬間。
任天堂時代
任天堂に入ってからも躊躇せずにやってきた。
・店頭のパンフレット
入社一年目の時にすごい暇な時があって、誰にも頼まれてないけど総合カタログ的なパンフレットみたいなものを勝手に作った。それがきっかけで「ニンテンドーブック」という100ページくらいの総合カタログを作ることになった。
・リクルートマリオ
大学4年生に向けた、採用のポスターを大学に貼りたいっとぼくが勝手に言いだして自主プレゼンしたら通ってほんとに作ることになった。
・会社案内
ぼくが任天堂でやってきた大きな仕事の一つ。全く躊躇なし。むちゃくちゃやりまくった。
ある年は、金の延べ棒みたいな金ピカの表紙を作った。(写真右下)その時の任天堂はDSとかWiiがすごい売れたとき。そんな時に金ピカの表紙って見ようによっては成金じゃないかと取れるけど、学生にインパクト与えたかったし、僕の中では意味があった。この金は「和」を意味している。この年の会社案内のテーマが「おもてなし」だったからね。
これも会社案内。若い人は知らないかなぁ。爪で何か描いたら絵が描けるシートで、めくったら消えるの。学研とかの付録に昔ついていそうなやつ。ぼくの中では「トライ&エラーを大事にしている」っていうメッセージがある。
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任天堂から独立した後の前田高志は「躊躇しないキャンペーン」をさらに加速させることで、人生を動かしていきます。
この話が気になる!という方は、もうしばしお付き合い頂けると嬉しいです。
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