「情熱高志」第5号 ー心を整えて漫画と向き合うためにー
このマガジンは、デザイナーから漫画家に転じた「まえだたかし」が記す、前田デザイン室限定コンテンツ「たかしの世界」に加筆修正し、再編集した密着ドキュメンタリーレポートです。
〈前回までの道のり〉
漫画家転身の覚悟はできたものの、技術と経験のなさに悩む前田。
だが、コルク文化祭で、漫画家として多くの刺激と知見をもらい、少しずつだが、漫画との向き合いかたが見えてきた。
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これまでの前田の人生を振り返ると、大切な局面で、必ずキーパーソンと呼べる人との出会いがある。
任天堂時代、基礎から鍛えてくれたデザインの師匠。
フリーのデザイナーになった後、自分の可能性を広げるキッカケと環境を与えてくれた幻冬舎の箕輪厚介氏。
そして、コルクの佐渡島庸平氏。
彼との出会いで、漫画家への転身を決意し、今、まさに未来に向けて動き始めたところ。
佐渡島氏を介して、先輩の漫画家たちとも出会うことができた。
彼らとの出会いは、前田に新たな刺激と可能性を感じさせてくれている。
漫画家 こしの氏のRadioトークは、聞いていて素直に楽しい。
自分もやってみたくなってきた。
でも、ちょっと恥ずかしい。
そんな本音を見透かしてか、すかさず佐渡島氏が助言してくれる。
こうやって、背中を押してくれたら、自分の中に勢いが出てきて、やる気がみなぎってくる。
気持ちが萎えないうちに、すぐに動く。
前田もRadioトークを始めてみた。
本人は、テンション高めというが、まだまだだろう。
私たちは、テンションをもっと高められる彼を知っている。
それだけに、今後の動きが楽しみ。
こうやって、いろんな人と出会うことで刺激を受けていけば、アイデアの引き出しを少しずつでも増やしていけるはず。
受ける刺激は、ときに、大きな衝撃になることもある。
だが、そんなときも、佐渡島氏が声をかけてくれる。
人との違いを感じ、相手が自分にないものをもっているとわかったとき、劣等感を感じることがある。
だが、それは逆の立場でも言える。
相手からすれば、相手にないものを、自分がもっていることもある。
人との違い、それが個性であり、才能。
だから、悲観する必要はない。
佐渡島氏は、このように諭してくれた。
自分に正直になり、自然体で前を向く。
これから進むべき自分と向き合い、再確認した前田は、これまでのキャリアの節目となるイベントに登壇した。
それは、「デザイナー4.0」と題したトークイベント。
自分の中では、これでデザインに、しっかり区切りをつけることができた。
だが、その決意に反するように、自分に期待してくれていたクライアントとのギャップは、まだ残っているようだ。
自分のデザインに期待してくれることは、本当にありがたい。
無下にすることはできない。
だが、自分は、漫画家の道を歩むことに決めた。
幸運にも、こんな自分を応援してくれる人たちもいる。
前田は、自分の思いを胸に刻み、周りの想いを力にしながら、前を向く。
心は整った。
あとは、為すべきことをやるだけ。
「まえだたかし」という漫画は、デザイン編を終えて、マンガ編が始まったばかり。
これから様々なキャラクターとの出会いや、多くの苦楽も待ち受けていることだろう。
これまで味わってきた苦楽は、自分とその周りの人たちに関わる苦楽でしかなかった。
だが、これからは、その一喜一憂を漫画にすることで、多くの読者たちとも共有できるはず。
子供の頃に読んだ漫画のように、ときに笑い、怒り、そして涙する。
あの心を揺さぶられるような漫画を描くことができたならば、一人のクリエイターとして、喜びもひとしおになることだろう。
そんな日が来ることを夢見つつ、今はとにかく描いていこう。
描いて描いて、描きまくるしかない。
………ん?
………、あれ?
…そういえば。
何か忘れているような…?
…そう。
漫画です。
この第5号は、2018年の締めくくり。
しかし、たかしが描いていないため、
漫画の報告ができません(^_^;)
ごめんなさい。
2019年、まえだたかしは、まさに猪突猛進のごとく、漫画を描いていきます。
私たち編集部は、ときに見守り、ときにケツを叩きつつ、彼の姿を追い続けます。
本年はご愛読いただき、誠にありがとうございました。
来年もどうぞ、よろしくお願いいたします m(_ _)m
良きお年を、お迎えくださいませ。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私たち「情熱高志」編集部は、これからも「漫画家 まえだたかし」に密着し、情熱をもって描く彼の姿を書き記していきます。
あなたも私たちとともに、彼のまんが道を見守っていきませんか?
「情熱高志」は毎週水曜日21時に配信します。
次回の配信は、1月9日を予定しています。お楽しみに!
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