自分を変えたいから”環境”を変えた。「いま」を楽しむWebマーケター
オンラインコミュニティ・前田デザイン室(通称:前デ)では、現状に悩みや不満を持つメンバーがそれぞれのモヤモヤから「ぬけだす」ことを目的とした社会実験的プロジェクトを行なっていました。(〜2022/10/31)
プロジェクト名は「ぬけだ荘」。
モヤモヤを抱えたメンバーがバーチャルアパートメント「ぬけだ荘」の仮想住人となり、互いの現状や取り組みを曝け出しながら、一歩一歩、着実に「ぬけだし(=目的達成)」に近づいていく。そのプロセスをドキュメンタリーに追う、社会実験プロジェクトです。
“ぬけだし”のテーマをそれぞれに設定した住人たちには、日々どんな変化が起こっていたのでしょうか。住人の「ぬけだしの経過」を知るべく、プロジェクトの途中でインタビューを敢行。
今回、話を聞いたのは、「自信のない自分から抜け出したい」というテーマを掲げた、WEB広告会社で働く27歳の女性です。
ずっと変われなかった自分が、気づいたら変わっていた。その経緯を、自分の強さも弱さも余すところなくさらけだしてくれました。
(聞き手:まーちん 原稿:さやかび)
ふっきー
WEB広告のテストマーケター。1993年、大阪府生まれ。学生時代は外国語大学に進学し留学を経験。現在は、2016年4月から通販会社にて広告のディレクションを務めたのち、2021年の4月に転職、WEB広告のテストマーケターとして一人前になるべく現在研修中。前田デザイン室には2020年6月(28期)から参加し、ぬけだ荘PJを中心に活動中。学生時代から音楽やダンス、パフォーマンスが好きで、歌うことで気持ちが落ち着くことに気づき、歌でぬけだしを行っている。
自信がなくて、自分の意見が言えなかった
——前田デザイン室に入ったきっかけを教えてください。
ふっきー モヤモヤしてるなぁっていう気持ちと、前田デザイン室興味あるなぁってことをTwitterでつぶやいたら、前田さんから「ぬけだ荘っていうプロジェクトがあるんだよ」ってコメントをいただいて。
「じゃあ私ぴったりですね」って、前田デザイン室に入ってぬけだ荘に参加したんです。
——ぬけだ荘のテーマを「自信のない自分からぬけだす」にした理由は何ですか?
ふっきー 当時、勤めていた会社で、上司が求めているものばかりを気にしてしまって、「自分はこう思っているけれど違うかもしれない」って周りの目線をすごく気にする自分がいて……。
何かをやりたいなと思っても一歩が踏み出せないこと、いろんなことをやってみたいのにできないのが続くのも、自分に自信がないからだと思ったんです。
昔にさかのぼると親の目を気にしていたり、「親の理想はこうだからいい子供にならなきゃ」って思っていたり。自分の意見を発信できない人になってしまっていたんです。
——ぬけだ荘に入って、最初にやってみたことはなんですか?
ふっきー 入ってからしばらくは何もしてなかったですね。
ぬけだ荘に参加したからには、自信のない自分からぬけだしたかったけれど、変われない自分がいたんです。
変わらなきゃってずっと思っていながら、言い訳ばかりしている自分がいました。
そこで、自分に自信をつけるには、会社を辞めて、外に出て自分の力を試してみたいと思ったんです。
でも、転職を繰り返してしまうかもしれないとか、生活ができないかもしれないとか、不安なことばかりを考えて、転職に踏み切れない時期がありました。
環境を変えることが、ぬけだしの一歩目だった
——転職を決断したのはいつですか?
ふっきー 退職を前に一度休職をしました。その期間に「復職しても同じことの繰り返しだろうな」って気持ちがどんどん強くなってきて。
休職中、自分と向き合う時間がたくさんあったので、今までやりたいと思っていたことをやっていたら、退職についても前向きに考えられるようになってきたんです。
——「自分と向き合う時間」にはどんなことを考えていたんですか?
ふっきー 自分と向き合うっていうのは、本当に自分がしたいことは何なのか、「自分に素直になること」なんだと思います。
私が物事を決断するときって、「周りの人がどう思ってるか」を考えてきたんですよね。親や上司、先輩、周りの人のことばかり考えていたので、「自分がどうしたいのか」を考えられていなかった。
だけど、一人の時間ができたことで、「これをやったら自分は楽しい」「これをしていたい」っていう気持ちと向き合うことができた。自分自身と会話しているような感じでした。
——前デのイベントやぬけだ荘に積極的に参加するようになったのもその頃ですか?
ふっきー そうですね。前田デザイン室で「24時間前田テレビ」(2020年8月)をはじめ、たくさんのイベントがあって、自分が行けそうなイベントには参加できるようになって。
そうすると、会えるメンバーが増えて、繋がりができて、前田デザイン室ってすごくいいところだなぁって思うようになりました。
私は、デザインができるわけではないので、「なんでいるんだろう」って考えていた期間もあったんですけど、ちょっとずつ思い出が増えて、でも会社が忙しいみたいな、考えが行ったり来たりして、そういうのを何回か経て、会社やーめよっと思って(笑)。
今までは自分が変わらなきゃって思っていたんですが、会社を辞めて環境を変えることで全然違う心持ちになるということを、今すごく実感しています。私のぬけだしの中で大きいのはそれに気づけたことです。
環境が変わったから、それ合わせて自分も変わって、自分を受け入れてくれる人が周りにたくさんできた。前田デザイン室に入って、自分がこうやって発言していいんだ、という気持ちになれた。
だから、環境を変えるって、すごく自分を変えることに繋がっているんだなと思います。
いちばん楽しい「いま」、これからもっと変われる
——いまはまだ、ぬけだしの途中ですが、今の自分のぬけだし度を、パーセンテージでいうとどのぐらいですか?
ふっきー 自分ではだいぶが変わったなと実感していて、人から言われるでもなく、自分で感じられるってすごいことだなと思っています。
以前なら、謙遜して、「まだまだぬけだせていないです」と答えていたと思います。
いまは、「自信のない自分からぬけだした」という自信があります。
だから、70%ぐらいかなぁ。
——70%は素晴らしいですね。じゃあ、今の状態を一言で言うと、どんな言葉になりますか。
ふっきー 私いますごく楽しいんです。まさに、変わりゆく最中みたいに思っていて。
山登りをしているイメージです。登っている最中で頂上が見えつつある、「あと一歩だ、頑張ろう!」みたいな、そんな位置を登っているところです。
いちばん楽しいところかもしれないですね。登りきってしまったらあとは下りるだけだけど、頂上にたどり着く前の一番楽しいところなのかなっていう気がしています。
——そのイメージだけですごぐ前向きな気持ちが伝わってきますね…!この後、ぬけだしたあとって、自分がどんな人になっていると思いますか?
ふっきー これまでは、すごく内向的な人間だったので、もっと社交的になれるのかなって思います。
理想は、勝手に周りの人が集まってくる人。発信者になる人ってそういう人が多い気がしているので、そうなれたら嬉しいです。
(終)
決めるのは道ではなく、覚悟かもしれない
自分を変えるために環境を変え、いまを受け入れている、ふっきーさん。
いま楽しいのはきっと、選んだ道が良かっただけではありません。
自分で決める強さ。自分で決めたことを受け入れる強さ。
会社を辞めることが、自分を変えるきっかけになることもある。
どんな道を選んでも、人生は自分次第で楽しめるのだと教えてもらいました。
聞き手:まーちん
ライティング:さやかび
編集:郡司しう
デザイン:カナ
Special Thanks: 高野隼、うえさま
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