最強オンラインサロンマニュアル
本当に変わりたいのなら、本を読むだけではいけない。必要なのは、圧倒的な実践の場。そこで得た信頼と人間関係は、君を想像だにしなかったステージへ押し上げてくれる。それを可能にするのがオンラインサロンだ。しかし、オンラインサロンを「あやしい」「やりがい搾取だ」と思う人が多いのも事実。入ったものの、何もせずに辞めていく人もいる。
ぼくは、日本一オンラインサロンを使い倒して人生を変えた男だ。そんなぼくが、爆速で進化するためのオンラインサロン活用術を伝授する。
オンラインサロンて、そもそもなに?
いわゆる月額制の、Web上で展開されるコミュニティだ。大きなところでは、ホリエモンの『HIU(堀江貴文イノベーション大学校)』や、キングコン西野さんの『西野エンタメ研究所』、箕輪厚介さんの『箕輪編集室』が有名。Facebookのクローズドなグループ内で、プロジェクトを進めたり、雑談したり、何かを教え合ったりしている。
それぞれの色はサロンのオーナーによって変わるんだけど、スタイルは大きく2パターンある。
一つ目が、スクール型。先生がいて、生徒がいて。月謝を払って何かを教えてもらう形だ。ぼくが任天堂を辞めてすぐに入った情報発信を学ぶオンラインサロンがこれだ。二つ目が、プロジェクト型。箕輪編集室や、ぼくがオーナーの前田デザイン室はこれにあたる。
前田デザイン室は、ぼくが「クリエイティブってもっと面白いものじゃない?」と言う想いから作ったサロン。ぼくの価値観に近い人や、クリエイティブに興味を持つ人が集まって来ている。仕事上のつながりではなく、価値観でつながるメンバー達。そこで何の気兼ねもなくコミュニケーションが取れるのも、オンラインサロンの特徴だ。
オンラインサロンって実際どうなん?の疑問に正直に答える
2019年も止むことのないオンラインサロンブーム。しかし、外から見ているだけでは分からないことも多いはず。ここからは、よく耳にする疑問に、正直に答えていく。
<それってやりがい搾取じゃないの?>
会費を払って仕事をする。これだけを聞いて「やりがい搾取だ」という人がいる。確かに、プロジェクトメインのサロンに損得勘定を持って入ってしまうと「やりがい搾取だ」と感じることもあるかもしれない。正直、最初はぼくもそうだった。搾取とまでは言わないけど、お金を払ってまで手を動かすことの意味が分からなくて。カルチャーショックもあった。気が付くと、月額分の元を取ろうと計算ばかりしていた。
プロジェクト型のサロンは、座学ではない。実践の場だ。サロンオーナーの思考を共有して、プロジェクトを通して体験する。一流の編集者である箕輪さんのサロンなんかは、メジャーリーグの球場みたいなもの。そこで打席に立つことは、箕輪さんの周りにいる一流の人達にも見られるということ。嫌でもプロ意識が芽生える。バッドを振るだけで価値がある、最高の場所だ。
オンラインサロンを「やりがい搾取」だという人は、ぼくを見て欲しい。全く搾取なんかされてない。インフルエンサーへのごますりという声も聞くけど、みな完全にフラットで尊重し合う関係だ。
この感覚は、実際中に入って体験してみないと分からない。
「やりがい搾取」なんて、新しい事象を安易に決めつけた固定観念だ。
<ぶっちゃけ、仕事にはつながった?>
キャッシュポイントが来るとしたら、だいたい後から。ぼくの場合、先に【デザイン=前田】という認知と信頼をためて、それからだった。
いきなりサロン内で仕事を取ろうと思っても、上手くはいかない。まずは、サロンオーナーの信頼を借りて、自分の今の仕事では立てないような打席をたくさん経験する。そこで認知、信頼を得て、交友関係を広げる。全てはそこからだ。
ぼくが前田デザイン室を作ったのも、箕輪編集室に入って1年してから。ずっとやりたかった装丁の仕事をもらったのも、最近のことだ。(サロンの活動でぼくを知ってくれた板垣雄吾さんから、彼の著書『やりたくないことはやらなくていい』(幻冬舎)の装丁を依頼をもらった時は、本当に嬉しかった。この時の話については、この記事を読んで欲しい:はじめての装丁、全記録)
最初から「仕事をもらおう」というスタンスでサロンに入ると、さっきの話に出てきた「搾取」だと感じてしまうんじゃないかと思う。
経験を積み重ねることが信用になり、いずれお金に変わる。近道はない。
<嫌だったこと、腹が立ったことはある?>
起こりがちなことと言えば、コミュニケーションのすれ違い。オンラインサロンは、やり取りのほとんどがテキスト。普段のメールでもありがちだけど、ちょっとキツく聞こえちゃうとか。「なんでこんな言い方になるの?」って落ち込んだり。でもそういう人たちと実際会って話をすると、本当は全然違っていたりする。
腹がたったことも何度もある。デザインの依頼の仕方とか、やっぱり慣れてない人もいて。それは仕方ないことなんだけど。クリエイターがぞんざいに扱われてると感じる場面が何回かあった。
ぼくは、その都度きちんと怒るようにした。直接メッセージを送ったり、箕輪編集室の運営の人にも「こんなこと、ありえますかね?」と伝えたり。まわりは「たかしくん怒ってる!やべえやべえ!」ってなってた(笑)。
啓蒙の意味を込めて「これってどうなの?」とツイートしたり。そうやって伝えていかないと、自分だけが悶々として苦しくなるから。それに、他のクリエイター達も大切にしてほしいって気持ちもある。だからそこは、がんばって怒ったかな。そうしてる内に、だんだんみんなルールを守ってくれるようになった。
人と関わる以上、誤解が生じることは絶対にある。サロンオーナーに惹かれたという共通点はあるにせよ、みんな属性も考え方も、本当にバラバラだから。
そうやって腹が立つことはあっても、実際に会ったり謝ってもらったりすることで元通りになる。これは、現実の世界でも同じだ。
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ここからは、
✔オンラインサロンでの具体的な動き方
✔オンラインサロンで活躍する人の特徴
✔オンラインサロンならではの成長ポイント
について、お伝えしていきます。
気になる!という方は、ぜひお付き合い頂けると嬉しいです。
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<具体的に、どう動けばいいの?>
自分が何が得意か分かっている人は、それをやればいい。分からない人は、自分にとって簡単なこと、苦じゃないことをやればいい。
例えば、コメントへの返信が苦じゃない、たわいも無い会話やコミュニケーションが好きなら、コミュニティ運営が向いているかもしれない。飲み会が好きなら、飲み会に参加するだけでもいい。何かをやらないといけない、がんばらないといけないってことはない。
オンラインサロンのメンバーは似た価値観、同じものが好きという共通点でつながってるから、その人たちと仲良くなるだけでも充分価値がある。そのためのファーストステップとして、コメントをつけるのはかなり大きい。みんなオンラインでつながってるだけに、自分のコメントに対して何も反応がないのは一番辛いはず。そういう意味でも、その存在価値は大きい。
特に箕輪さんの投稿なんかは、いろんな人が見てる。他のインフルエンサーと呼ばれる人たちも含めて。その投稿に、誰よりも早く「すごい!」ってコメントするだけとかもいいんじゃないかな。「いつもこの人「すごい!」しか言わないな」とか。こういうことでも、信頼として溜まると思っていて。その人が定例会にきたら「あ、“すごいの人”来た!」ってなるでしょ。
そんな認知のされ方でも全然いいと思う。要は、積み重ねが大切。気負わず、簡単なことからはじめたらいい。
<オンラインサロンで活躍する人の特徴>
これは明確。「素直で、すぐ行動する人」。これはオンラインサロン関係なくて、任天堂時代の部下や後輩を見ていてもそう思う。言ったことや勧めたことをすぐ実践して自分に取り入れる人は、すぐに伸びる。
なぜ言ったことをすぐにできるかと言うと、普段から余裕があるんだ。いつも忙しくしてる人は、それができない。余裕を持って何でも受け入れる柔軟性がある人は、どこの世界でも成長する。
それに加えて「汲み取り力」。組織の中でいろんなことを多面的に汲み取る力。相手の行動を観察して、状況を推察して、提案する。これができると、強い。
何でもすぐやる姿勢もちろん大切だけど、そこで空気を読む、状況を見ながらできる人というのは、間違いなく活躍する。
それはつまり、優しさであり、愛なんだ。
本当に相手のことが好きだから「この人のためにやりたい」と思う。そこから生まれる想像力。それが、汲み取った提案につながる。
<オンラインサロンで、成長したこと>
オンラインサロンにいると、自分の仕事だけでは回ってこないような経験ができる。ぼくは箕輪編集室で、とにかくデザインをやりまくった。猛スピードでデザインすることでデザイナーとしても成長したし、交友関係も、仕事の幅も広がった。
経験の多さは、想像力の高さにつながる。それは汲み取り力を磨くことにもなる。
箕輪さんを始め、インフルエンサー達の思考に触れながらこういうことができるというのは、相当大きい。
新しい価値観、考え方が自然と体験できるというのが、何者にも耐え難い経験。本だけ読んでも全然意味がない。本と体験はセットじゃなきゃ成長できない。
オンラインサロンは、そのための環境だ。使わない手はない。
どんな場所にするかは、君次第
オンラインサロンを思いきり楽しみたいなら、方法は2つだ。
友達を作るか、プロジェクトをやりきるか。
自分と価値観が近い人と友達になれるってめちゃめちゃ楽しい。まずは、そこだけでも全然いいと思う。
変わりたい願望があるなら、そこで手を動かすことだ。本当にやりきったとき、それは仕事を超えるインパクトになる。「仕事じゃないのにこれやったの?」って。そこには、プロ以上のエンターテイメントやがんばりがあるから。
友達をつくって、何か一つやり切ることができたなら最高だ。それはただ本を読むよりも、圧倒的に価値があることだから。見える景色はもちろん、人生までをも変えるほどの力がある。
それを、ぼくは証明した。
日本一オンラインサロンを使い倒した男・前田高志が。
まとめ
おまけ:手紙
みなさま
今日はご参加いただき、ありがとうございました。
オンラインサロンというのは、場所です。
この場所をどういう場所にするかは、あなた次第です。
実験するところ。
同じ価値観の友達を作るところ。
スキルを実践で生かすところ、刺激を貰うところ。
人それぞれでいいと思います。
でも、何か変えたいなら、動く以外ほかはありません。
僕にとってオンラインサロンは、脳を喜ばせる場所。脳がビリビリする感じ。デザインでそれを味わいたかった。だから、それだけをやっていました。誰かのためじゃなくて、自分のため。
結果的に誰かのためになってるけど、要は自分の最高のデザインをしたいだけです。
その一点で、僕はがんばったわけではない。がんばってる人は、すぐに「報われない」って嘆く。自分がやって気持ちいいことが、誰かの喜びになる。僕はこれをハッピーループと呼んでます。
僕だって一度、箕輪編集室を辞めてるし、やりたいこと、楽しいことがすぐに見つかったわけではないです。半信半疑で箕輪さんにベットして、全部デザインやってやると思ってやっていたら、今につながりました。
まずは自分にとってオンラインサロンをどういう場所にするか。色々やってみて、探してみてください。
それが見つかってやり続けると、日本一オンラインサロンを使い倒すことができる。
オンラインサロンで、人生は変わる。
オンラインサロンは、搾取ではない。
僕がそれを証明しています。
本日は、改めまして、参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
ブックラボトーキョーさん、本日はありがとうございました。
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君は進化できるか?デザイナー新時代到来
テキスト:砂糖塩、浅生秀明、かもゆうこ、斎藤ナミ、おかもとゆりか、野坂由輝子
写真:Hayao Kimura
構成・編集:谷下由佳
編集長:谷下由佳
バナー:たなか
監修:前田高志、浜田綾
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