「僕らは君を待っている」 5歳×高山洋平×前田高志 対談レポート
みなさんこんにちは!
前田デザイン室39期の川口紗也加です。
6月19日に行われた、前田デザイン室定例会の様子をレポートします。
今回は、前田デザイン室室長の前田高志さんと、ゲストに5歳さんをお迎えして、『僕らは君を待っている』をテーマに開催されました。
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5歳さんはなんと、北海道のキャンプ場からご出演頂きました。
途中から、仲良しの高山洋平さんも登場して頂き、豪華鼎談になりました。
対談が開催された経緯
前田さん(以下敬称略):以前、5歳さんと話をした時に、「若い子、もっと来いよ。自分を変えたかったら本気でぶつかって来いよ。」って話になったんですよね。そういう説教くさいオヤジの話が聞きたくないって人は、今日聞かないほうがいいです(笑)。
5歳さん(以下敬称略):前田さんは普段そういう話はしないんですか?
前田:ストレートにしたことはないですね。現状を変えたいと言ってる人は多いんですが、本気で変えたいっていう人は、実はあんまりいなくないですか?
5歳:前半から飛ばしますね(笑)。
前田:本気で変わりたいっていう人は少ないんですよ。100人いたら1人ぐらいじゃないですか?
5歳:そうですね。
前田:みんな、変わったらいいな、と思っているだけなんですよ。それは幸せな状況にあるっていうこと。だって変わる必要ないんですよ?でも、一回冷静に立ち止まって、本当は自分を変えたいんじゃないか、って気付く人がちょっとでも増えたらいいな、とは思います。
5歳:こないだ話してた時よりも語尾が大分やわらかくなってます(笑)。
前田:でも、本当にそう思ってるんです(笑)。
とにかく動いてみる
前田:例えば、前田デザイン室で、クオリティとか一旦抜きにして、異常な量のデザインやりまくって、「前田デザイン室になんかデザイナーいるよね」って周知される状況にもっていくことって、その人にとってプラスにしかならないじゃないですか。そのポジションが今、ガラ空きなのにな、って思いますね。
5歳:僕も、まず作ることが一番なのかなって思います。最近、思いついたこと全部やろうと思って、思いついたら人に話すようにしてるんですけど。そうすると、面白いか面白くないか第三者がジャッジしてくれるじゃないですか。まず人に聞いてみると、そっから何かが動き出すこともあると思うし。
―――高山さんご登場―――
高山さん(以下敬称略):こんにちは。
前田:はじめまして、いつも拝見しています。
5歳:今どういう話をしていたかっていうと、アウトプットを出していったほうが絶対面白いのに、やらない人が多いよねっていう話をしていて。
前田:僕の場合面白いな、と思うことをアウトプットとしてやっていたら、Twitterでフォロワーが多い人に、「知ってますよ」って言われることが増えたんです。高山さんは、Twitterで見てデザイン発注したりするんですか?
高山:しますよ、もちろん。俺だけじゃなくて、色んな人がそうだと思いますよ。
5歳:みんな探してるよね。色んなパターンでイラストをすぐに描ける人がいたら、すぐにでも雇いたいって話してましたよね。カメレオンイラストレーターみたいな。
高山:そういう人も勿論好きだし、誰にも真似できない世界観の人も好きだし。僕らはTwitterとかInstagramしか見てないから、そこにとにかく作品をどんどん出していって欲しいですね。
5歳:僕らは日々探してるんですよ、デザイン出来る人を。
僕らは君を待っている
5歳:デザイン業界をデザイナー達はどう思ってるんですかね?
前田:みんな、仕事が無いとかではないんです。大きな不満はなくて、普通に幸せなんですよ。ただ、自分の名前で仕事をするステージに行くためには、例えば、ライターさんなら5歳さんにへばりついて、5歳さんの仕事を楽にするっていうのを徹底してやると、5歳さんは絶対仕事を発注するじゃないですか。
5歳:そうですね、本当に。
前田:5歳さんの側にいる、あのライターさん誰?って色んな人から絶対見られるし。だから、一人決め込んで、その人にへばりついて、吸収しながらその人を楽にして、下から支えるような絆を結ぶっていうのが大事なんじゃないかなと思って。そういう人を待ってるって話。
5歳:そうですね。僕は今まで色んな仕事をやったんですけど、これ人の役に立つな、喜んで貰えるな、っていう仕事をやってきたらここに来たっていうだけなんですよね。高山さんは、なんでここまで来たの?
高山:俺は、作りたいものをずっと作ってた。色々なものを無視して。
5歳:対照的ですよね。
前田:高山さんは、やりたい仕事を取れるポジションを取れるためにしたことってあるんですか?
高山:俺の場合、ずっと営業マンなんですよ。自分で何かを作り始めたのって35歳からだから。デザインとかCM見てて、あれ、俺のほうがいいんじゃないかって思った時があったんです。それで、俺にも出来る、と思って作ったんですけど、何が一番良かったかっていうと、営業なんですよ。最初はお客さんが来ないじゃないですか。だから、営業をした。営業って馬鹿にしちゃいけないな、って思いますね。
わかりやすく自分を表現する
5歳:高山さん周りのデザイナーさんの名刺って全員超派手だよね、花札みたいなやつとかさ。
高山:派手っていうか、そいつに合ってるよね。
5歳:合ってるよね。かっこいいよね。
前田:人間性全開で行くと。
5歳:そうですね、わかりやすい自己紹介みたいなもんだよね。最初にこの人どういう人かわかんない、っていうプロセスを全部無くすっていう感じ。初対面で、私はこういう人です、って。まあ、Twitterとかも同じだと思うんですけどね。あれって、結構丁寧な、毎日書き続けてる履歴書みたいな物だな、って思うんですよね。遡れば、こういうの面白いって言う人なんだな、ってわかるじゃないですか。
食い扶持を持っておく
前田:ちょっと質問したいことがあって。5歳さんと高山さんが、仮にいま、ぷっつり仕事が半年ぐらい無くなるとしたら、何をしますか?
高山:それで言うと俺、コロナの時に仕事無くなってますからね。
5歳:高山さん無くなってたよね、あの時(笑)。
高山:4月の時に、「もうやばいやばい、死んじゃう死んじゃう」と思って、で、5月に、「よーし、諦めよう」と思って(笑)。
前田:諦めるんですか(笑)。
高山:もう、仕事が無いんだったら仕方ないから諦めて、映画撮ったんですよ。
5歳:あれも、遊びみたいなものでしたよね、最初はね。
高山:映画をやった時に思ったんですけど、目の前のことに集中していると、意外と不安じゃなくなるんですよね。
5歳:高山さんがその時のことを振り返って、「4月の焦ってた時間はまったく無駄だった」って(笑)。開き直って最初からマジで思いっきり遊ぶほうにシフトすれば良かったって言ってて。僕も好きなことをやってたのが、仕事に繋がってたりもするので。僕の場合、元々は鍼灸師なので、仕事がなくなったとしても、食うぐらいなんとかなるよね、みたいなのはありますね。そういう食い扶持を一つ確保しておくと、安心して思いっきり出来るのかな、なんて思いますね。
すべてのことに思いを馳せる
高山:物作りする人ってやっぱり、色んなもの見なきゃいけないし。
前田:そうですよね。
5歳:遊ぶのは必要なんじゃないかって思うけどね。僕、キャンプ運営みたいなこともやりたくて。
高山:5歳さんは、キャンプ場の人にも褒められるようなスキルがあるんですよ。だから、一刻も早く広告なんかやめて(笑)。
5歳:広告なんか、ね(笑)。
高山:5歳さんはキャンプ運営をやればいいのに、ってずっと思ってます(笑)。だから、今回のキャンプも、今後の人生にプラスになるじゃないですか。
5歳:勉強になりますよね。
前田:遊んでたら、仕事になったりする、と。
5歳:まあ、ならなくてもいいんですよね。でも、なる時もある(笑)。
高山:とにかくね、例えばコンビニ行くじゃないですか。おにぎりが何があるかって見るだけでもいいんですよ。
5歳:北海道まで来なくてもね。
高山:「あ、今、すき焼きおにぎりっていうのがあるんだ」とか。で、別に答えなんかどうでもいいんですけど、「すき焼きって今、おにぎりになっちゃうくらい、価値って下がってんのかな?」とか。答えなんかなんでも良くて、思いを馳せることがすごく重要っていうか。ボケっとしないって感じじゃないですか?どこへ行っても。
遊べる大人はかっこいい
北海道のトレーラーハウスからご登壇頂いたお二人。
5歳さんが、「河原でテントサウナやって、ドラム缶風呂入って、僕らブチ上がってましたよね。俺たちのやりたいことはこれだ、みたいな話してましたからね。これをずっとやりたいな、と僕は思っちゃいましたけど。」と仰っていて、社会人としてご活躍されつつ、仲間とキャンプでブチ上がっている大人に憧れを感じました。
何事も全力で取り組むことの大切さを教えていただき、全力でやれば遊びまで仕事になることもあるという、学びの多い定例会でした!
5歳さん、高山さん、前田さん、貴重なお話をありがとうございました!
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文:川口紗也加
バナー:川口紗也加
編集:浜田綾