全力でアホになって駆け抜けた5ヶ月間!100%アホの雑誌『マエボン3』完成披露会
前田デザイン室は2022年3月で4周年!
それを記念して制作した「ゼロ本 100パーセントアホ」がテーマの雑誌『マエボン3』の完成披露会が7月17日、大阪で行われました。
『マエボン3』とは? 〜誕生のきっかけ〜
前田デザイン室をぶっ壊すために!?
前田デザイン室は「仕事ではできないものづくり」をテーマに、これまで様々なプロダクトを制作してきました。
でも気づけば、デザインを学ぶコミュニティになりすぎていた。
「なんか最近、真面目になってない!?」
「前田デザイン室って、こんなんじゃなかったよな?」
室長の前田さんの言葉にメンバーもハッとしました。原点回帰したい!前田デザイン室をぶっ壊そう!『マエボン3』はそんな気持ちから生まれました。
「ゼロ」にリセットして、もっと「アホ」になりたい!
『マエボン3』は前田デザイン室のプロダクト「マエボンシリーズ」の最新刊です。
初代『マエボン』のテーマは「童心を取り戻せ!」
続編『マエボン2』のテーマは「失敗なんて、おっぱいだ!」
どちらも、ほぼ雑誌制作未経験者で作り上げ、青山ブックセンターなど著名な書店で販売されました。前田デザイン室と共に進化を遂げてきたマエボンシリーズ、その最新刊である『マエボン3』は前田デザイン室を「ゼロ」にリセットするプロダクトにふさわしい!原点回帰してもっとアホに、もっと「何やってんの?(笑)」と言われたい。
だから『マエボン3』のテーマは「ゼロ本 100パーセントアホ」なのです。
史上初!24時間限定クラウドファンディング
制作費の調達のため、国内最大のクラウドファンディングサービスであるCAMPFIREさん史上初の24時間限定クラウドファンディングを実施。
24時間でやる必要など全くないのに、宣伝する時間すらないのに。今までにやったことをないことをやるのが前田デザイン室!
いやホント、「何やってんの?(笑)」と思っていました。
でも結果は、221人もの方にご支援いただき、3月13日に無事達成!制作を開始しました。
ここまでが『マエボン3』の誕生経緯です。
さて、ここからは会話形式にて、完成披露会の会場の雰囲気もお届けします!ワイワイ楽しくアホを語る姿、どうぞ最後まで温かく見守ってくださるとうれしいです。
『マエボン3』の特徴とは?
「おバカ vs. アホ」激論を経て、アホにふりきった雑誌へ!
室長 前田高志さん(以下、前田):(雑誌のテーマについて)最初は「バカ」だったのを「アホ」に変えたよね。アホに変えたことがよかったのか、バカのほうがよかったのかを聞きたい。
編集長 デザインちゃん(以下、デザインちゃん):私はアホに変えてよかったと思います!バカって可愛いので、バカのままだと真面目な企画にちょっと面白みをつけた感じで止まる気がして、ふりきったことはたぶんできなかっただろうなと。アホってキーワードがあったから、つきぬけることができました。
副編集長 ミッチー(以下、ミッチー):正確には最初「おバカ」がテーマで、クラウドファンディングページ制作の締め切りギリギリに前田さんが言い出して、そこにデザインちゃんも「アホにしましょう!」とのっかって。だけど僕が「おバカがいいです!」と言ったことから激論が始まって(笑)。「童心」というキーワードにフィットするのがおバカかなと思っていたので。
前田:まさにそう。
ミッチー:でもそれは今までの前田デザイン室であって、「ゼロにリセットして、これからの前田デザイン室を作っていこうという話なら、アホのほうがいいのでは」とデザインちゃんが言っていて、それならと納得して「アホでいきましょう!」となりました。おバカだったらもうちょっと可愛い感じの雑誌になっていたかなと。おかげさまでふりきれました。
こんなにあるの!?ふりきった企画と個性あふれるオリジナルキャラクター
デザインちゃん:企画数はなんと36個あります!
前田:こんなにあるの!?
デザインちゃん:没企画も含め200を超える案の中から選び抜かれた企画。全ページふりきった内容で、めちゃめちゃ面白いです!
デザインちゃん:オリジナルキャラクターも多いですね。誰も傷つけないアホを追求するため、ゼロからキャラを生み出す必要がありました。結果、大量のオリジナルキャラが誕生しました。
うんちに代わるアホを求めて。その結論は……ゴリラ!?
デザインちゃん:『マエボン3』の表紙はゴリラになっています。『マエボン3』におけるアホとは、ポジティブで元気あふれる「愛すべきアホ」。ゴリラはその象徴なんですね。
前田:(表紙のデザインに)ハートを活かしてくれてるのがいいよね。素晴らしい。
デザインちゃん:そうですねマエボン1、2もハートがモチーフだったので。
前田:これ面白いなと思ったのは、今回アホを追求するってやってて、前田デザイン室は「永遠の童心」なので「うんち・おっぱい」からなかなか抜け出せないのね、だいたいは。
デザインちゃん:安易にそっちに行きたくなくて、お下品な雑誌になりかねないので。なので、なるべくそういうのに頼らずにいこうと。
前田:うんちに代わる新しいものが「ゴリラ」。これは新しい研究結果やね。
前田:この「はじめに」もいいよね。一回人間になってるのに、また体毛が生え始めてゴリラになって走り出してる。めちゃくちゃおもろい(笑)。どういうことや、何があったんや!
一同:(爆笑)
みんなで走り抜けた5ヶ月間、制作メンバーは100名超え!
デザインちゃん:250名ほどの前田デザイン室メンバーのうち、100名を超える方々が制作に関わってくださいました。
前田:今までのプロジェクトで一番多いかも。それすごいな、コミュニティとしてすごい。
デザインちゃん:前田デザイン室はいろいろな人がいるので、クリエイティブ職以外にも多種多様な方々が、それぞれの得意分野で活躍してくれました。また、前田デザイン室歴が長いベテランから入会したての人まで参加してくださいました。
デザインちゃん:3月のクラウドファンディングから7月の発行まで、クラウドファンディングの事前準備を含めたら5ヶ月間、みんなで走り抜けました!
制作秘話 〜◯◯だった話〜
さて、ここからは制作メンバーにもゲストとしてお越しいただき、制作秘話を語っていただきましょう!
まずは、アーホディレクターのこやちん、アートディレクターのSEAちゃん。
よろしくお願いします!
新たな役職「アー"ホ"ディレクター」爆・誕
こやちん:編集長のデザインちゃんがアートディレクターを募集していて、私は誌面デザインをしたことなかったので、適当に「アー"ホ"ディレクターならいけますわ〜」と言ったら……。
デザインちゃん:じゃあそれでお願いします、と(笑)
こやちん:デザインちゃんが言うならやります、と(笑)
前田:それでネーミングされたんや。発明やん。
SEAちゃん:普段はデザイナーなのですが、フィードバックをしたり方向性を決めたり、仕事ではできない変なデザインをしたいという思いを発散したかったので、アートディレクターに挑戦しました!
前田:前田デザイン室が求めている回答!ありがとうございます。
「こっちのほうがアホや!」深夜テンションで真剣にアホを追求
こやちん:誌面が30ページくらい埋まっていなくてどうしようというとき、「一人が1ページ担当するというのはどうだろう?」という案をデザインちゃんが提案していて。「それは前田デザイン室としてどうなのか?」ということを前田さんとデザインちゃんがやりとりしていたことですね。
デザインちゃん:当初はめちゃいい案だと思っていたのですが、みんなで作る楽しさを共有するからこそ前田デザイン室でやる意味があるという前田さんの意見をきいて納得して、じゃあみんなで作ろう!となりました。
前田:そう、前田デザイン室でやるからには。(一人1ページだと)前田デザイン室に関係なく、それぞれでやればいいじゃん!となってしまうのでね。
デザインちゃん:SEAちゃんはどうですか?
SEAちゃん:担当した企画はゴリラが出てくるものが多く、ゴリラまみれの5ヶ月間だったなと思っています。制作期間はとにかくアホな表現について考え、ゴリラに思いを馳せました。ただゴリラを見つめる会をZoomで開いて、ひたすらゴリラを見つめたり、生態を研究したり……。
ミッチー:SEAちゃんが急にゴリラの話を始めて、そこにこやちん、デザインちゃんがのっかっていって、ゴリラの恋愛漫画にしたらどうか?とかどんどん話が発展していって、気づけば深夜の2時、3時(笑)。
僕はお先に抜けさせてもらって、朝起きたら「ゴリ男とみほの7日間」という企画ができていました(笑)。
デザインちゃん:深夜テンションでできた企画が多くて(笑)
前田:冷静だったらできないよ(笑)
デザインちゃん:でも実は全員真面目で、性格や方向性も違うからこそ、「こうしたらどう?」「こっちのほうがいいのでは?」が積み重なった企画ができあがって。真剣にアホをすることができてよかったなと思っています。
前田:「こっちのほうがアホや!」「いや違う!こっちのほうがアホや!」「一番こっちのほうがアホや〜ッ!!」てやってたん?深夜に。
一同:(爆笑)
SEAちゃん:やってました〜。殴り合いしてましたね(笑)
こやちん:一人で考えるより、みんなで話してるほうがいい企画が生まれるなと思いましたね。
ディレクターのお二人から一言
こやちん:アーホディレクターとして、たくさんの人と一緒にいろんな形のアホを追求することができて幸せでした。
SEAちゃん:ふだん単独でデザインをしているため、みんなとアイデアを出しあいながら制作ができたことがとても新鮮で、自分には想像できないアイデアを聞いたときに特におもしろみを感じました。
見た人を笑顔にするために必死に作ったので、手にとる機会があればぜひ読んでほしいです。
編集長、副編集長にとって戦友であるディレクターのこやちん、SEAちゃん。ずっと一緒に走ってくれて本当にありがとう!
続いては、デザイナーのMaru.さん、ライターのぺるさん。
よろしくお願いします!
飛び込み、手を動かして、普段の仕事とは違う世界を経験
Maru.:雑誌を作ったことがなく、普段しているデザインも一枚ものとか情報量が少なめのものばかり。フリーランスなので、家にリモートでずっといるので孤独で、一人だけで完結する世界に居続けているのも気になっていました。
大きなプロジェクトに参加してみたいなとか、全然違う世界をのぞいてみたいなということがあり、飛び込んでみたらいろんなことができるんじゃないかと思い、やってみようと思いました。
ぺる:紙媒体をいつかやってみたいなって、ずっと考えていました。マエボン3プロジェクトが進み始めた頃は年度末で、子供の卒園と入学の時期が重なっていてすごく忙しかったのですが、子供が思った以上に学校に早く慣れてくれたのと、前田デザイン室の方が「プロジェクトはガヤで見るより手を動かしたほうがええよ」と言ってくださったので。
最初は活動報告のライターから始めて、いつの間にかインタビュー企画やおなら事件のライティング、校正といろいろなことをしました。
Maru.:プロジェクト全体ですごい企画数で、自分の担当している企画以外も気になって見ていると盛り上がっていて、見ているだけでも面白かったですね。
いろんな人の意見を聞き、紆余曲折があったからこそ……
Maru.:私が担当した「全裸ひらがな50音」という、ひらがなで全裸を上手に隠す(笑)という企画がほぼ完成という段階で「ひらがな水着」という企画に変えようという話になったことですね。
アホ度をあげていくために深夜まで話し合い、(全裸の)イラストもたくさん描いてもらい、全裸の企画がいいと思っていたので、「全裸でいかせてください!」と前田さんにお願いしたこともありました。
デザインちゃん:それで、一度「ひらがな水着」のほうへいったんですけど、作って見てインパクトが薄かったんですね。紆余曲折があったからこそ全裸のよさがわかったというか。
Maru.:企画を練り直したとしても、一番いい形で出したい!という気持ちを(編集長、副編集長とも)共有し、それで結局「全裸でいきましょう!」という形になりました。締め切りもあるのでハラハラしたけど熱量もあって、面白かったなと思います。
デザインちゃん:「全裸でいかせてください!」というワードがすごい。
Maru.:字面で見たら面白い(笑)。あとで冷静に見るとバカバカしい話をしていたんですけど、そのときは真剣に話していたというのが、面白くていい思い出です。
ぺる:私は下ネタが好きなアメリカ人俳優シーモネーターのインタビュー企画(「猛烈大陸 シーモネーター」 )と、おならは是か否かという企画(「エレベーターおなら事件」)のライティングを担当しました。どちらも際どい(笑)。
一同:(笑)
ぺる:シーモネーターは下ネタがどこまで許容されるか腐心して、ほかのインタビュー企画の担当者さんと話したり、悩みを共有できたのがありがたいと思いました。紳士的な下ネタ好き、セクシーな感じ(服が濡れて透けている)、とかいろいろ案が出てきて、キャラの外見が決まってきたら中身のライティングも割とすんなり進みました。
おなら企画のほうは、前田さんが会社のエレベーターでオナラをしたという話だけ聞いていて。詳しい経緯は聞いていなかったので、書きやすかったです。
どちらの企画もそうですが、人をけなしたりせずに、どうやったらクスっと笑ってもらえるか、「面白いな」とか「アホやな」とか思ってもらえるかを考えながら書きました。自分だけではなく、ページデザインしてくれたり、イラスト描いてくれたり、ほかの企画の方からもアドバイスいただいて、独りよがりにならずに、いろんな人の意見を聞くことによって、たくさんの人にアホを届けられる作品にしあがったのではないでしょうか。皆さんにとっても感謝しています。
前田:いい話!
一同:(拍手)
いつも優しく面白くマエボン3プロジェクトを盛り上げてくれたMaru.さん、ぺるさん。ありがとうございました!
これで完成披露会は終了……ではありません。なんと、ここでサプライズの発表が!
マエボン3はSpringin'(スプリンギン)とコラボします!
デザインちゃん:ここでスペシャルゲストの方にご登壇いただきます。しくみデザインの中村俊介さんです!
中村俊介さん(以下、シュンスケさん):よろしくお願いします!
前田:しくみデザインさんといえば、Springin'(スプリンギン)という「ゲームを作るアプリ」を作っています。
デザインちゃん:なぜシュンスケさんにお越しいただいたかというと……なんと!マエボン3とスプリンギンのコラボが決定しました〜〜!!
一同:(拍手)
アホゲーコンテスト開催決定!
デザインちゃん:アホゲーコンテストということで、『マエボン3』のキャラクターを粗ドットにしてDOTOWNに掲載し、スプリンギンとコラボします。
前田:今、DOTOWNでゲームを作れるコラボをしているのは公式ではスプリンギンだけです。
シュンスケさん:ありがとうございます。(スライド資料を見て)めっちゃいいっすね。このキャラクターたち。
デザインちゃん:ありがとうございます。
前田:『マエボン3』の中で生まれたキャラクターで、今ドット絵を作っているのは何体くらいいるの?
デザインちゃん:今、37体います。
前田:その37体を使って、『マエボン3』のテーマがアホなので、アホなゲームを1000個目指しましょうよ!
シュンスケさん:(ムダゲーコンテストに続き)また1000目指しますか!
前田:一番アホなゲームを作ったら優勝です。
シュンスケさん:楽しみですね。
しくみデザインの中村俊介さん、お忙しい中駆けつけてくださり、ありがとうございました!
編集長、副編集長からのメッセージ
前田:じゃあ最後に二人からメッセージを。
副編集長 ミッチーより
ミッチー:僕はデザイナーでもないしクリエイター経験もないただのサラリーマン。それでも手をあげれば皆さん受け入れてくれて、困ったら手を差し伸べていただいたりアイデアいただけたりして、一緒に走り抜けてきたという気持ちがあります。特に編集長のデザインちゃんにはいっぱい支えてもらいました。
どうなるかってときもあったんですけど、(『マエボン3』を手に持って)最終的にはこんなにしっかりした完璧な形におちついて、何も悔いがないというか。本当に全力で駆け抜けていいものをつくれたなって感慨深くて、関わってくれた皆さんに感謝しています。本当にありがとうございます。
前田さん:お疲れ様でした!涙出てる?メガネも曇ってるし。
ミッチー:(笑)
編集長 デザインちゃんより
デザインちゃん:5ヶ月あって、言いたいことがいっぱいありすぎて何を言えばいいのかわからないんですけど……。
まずは関わってくれた100人以上の方へ、何もない状態で、何もわからず手をあげたのに、頑張れよと支えてくださいました。前田さんも、私がうまくいかないとき、人見知りをしてしまったとき、近づいてサポートしてくれました。
こんなにしてくださるのかと、周りの人に感謝しかないです。ありがとうございますという気持ちしかないです。こんなに何もない自分なのに、本当に支えてくれてありがとうございます。
前田:デザインちゃんがやるぞ!って手をあげて、みんなをひっぱってきたからこそ、ついてきてくれたり応援してくれたと思う。みんなの絆を感じるんで、本当にデザインちゃんすごかったと思うよ。お疲れ様でした。
デザインちゃん:ずっと不安だったんですけど、今感想がTwitterとかで手元に届いて、「あ、やっといいものができたんだな」と思えています。
前田:『マエボン3』これから価値が上がっていくと思うんで、大事にしてください。
悶々としているクリエイター集まれッ!!!
『マエボン3』完成披露会レポート、いかがでしたか?
前田デザイン室は「自分はこれやった!これ作った!」と胸を張って言える、人生のポートフォリオを作ることができる、そんなことが体験できる場所です。
「自分は今のままで成長してるのかな?」と感じている人、一緒に全力でアホなことやりませんか?
日々、悶々としているクリエイターたち、前田デザイン室へ集まれッ!
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執筆:ミッチー
監修:浜田綾
写真:どいちゃん