面白アンテナ感度100パーセント!イノベーションキング森 孝徳
前田デザイン室の浜田です。
前田デザイン室は、前田さんが箕輪編集室メンバーで、箕輪さんからの信頼を受け継いでできたオンラインサロンである。という話は知っている人も多いはず。
では、前田さんが箕輪編集室を一度やめて、戻ってきたきっかけについて知る人は、さほど多くないのではないでしょうか?詳しくはこちらのnoteに書かれていて、かいつまんでお話するとこうです。
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「波の上商店」の森さんからのHPを作りたいとお声がかかった。森さんは初期から僕のデザインを理解してくれていた一人でうれしかった。…中略…その後一緒にHPを作っていた浜田さんにも説得され、箕輪編集室へカムバック。もう一度この高揚を味わいたかったのかもしれない。そして、それをきっかけにだんだん箕輪さんに惹かれていった。
「箕輪編集室での1年。」より抜粋。
こちらの方が、その森さんです。
(森さん)
私、浜田に「(コミュニティ)運営をやってみては?」とかなり早い段階で声をかけてくれていたのも、実は森さん。
(再び、森さん。)
面白いもの、面白い人を見つけるアンテナ感度が高く、前田さんにとっても浜田にとってもターニングポイントとなった人物、森さんとは?
今回NASU本クラウドファンディングの浜田執筆リターンにご支援していただいたご縁で、森さんの素顔に迫ります。
(さらに再び、森さん。)
本職は瓦屋の三代目社長、傍らで無人島ビジネスも
──私の中で、森さんといえば「無人島」の人です。でも本業は違いますよね?
森:飛騨高山の瓦屋三代目社長です。一番稼いでいるのも瓦屋ですね。
──そうそう、瓦屋さんの広告が毎回面白いんですよね。Facebookで、いつも楽しく拝見しています。
森:ありがとうございます(笑)。
(毎回ユニークな森瓦店の広告)
──かつ、無人島ビジネスもやってらっしゃる?
森:はい、無人島の貸切事業をやってますね。
──貸切?買っていないんですか?
森:買おうと思ったこともありましたが、値段を聞いたところ20数億と言われたので、さすがにちょっと厳しいかなと(笑)。
──20億(笑)!!
森:そうなんです。いやぁ、でも無人島は面白いですよ。
森:夜焚き火して話し合って、眠くなったら寝る。星も綺麗ですしね。
ただ雨の日は最悪で、ひたすら耐える修行のようです(笑)。でもプラス思考で「のんびりできたね〜」って気持ちになれますよ。
(無人島の写真、株式会社 ヤンバルコビトのFacebookページより)
「サービス」より「友達感覚」で設計することが大事
──無人島の素晴らしさを伝えるために、事業で工夫していることはありますか?
森:いかに安全をデザインするかが大事です。リスクを0から50%まで減らすことは、そんなに難しくないです。ただ50から80%まで、あるいは80から100%まで減らすためにはお金がかかります。
どこまでの安全を担保し、それ以上はどうするか?を考えなくてはいけません。
──リスクって具体的には例えば何でしょうか?
森:一番大きなリスクは、台風や高波などの自然災害です。怪我した場合どうするか?何かあった場合すぐ助けてもらえるか?地元との関係性は?そういうところにお金がかかるんです。
でもリスクを潰しすぎるとたぶんつまらないんですよね(笑)。その分岐点をデザインすることが難しいなと感じています。
先日面白いと感じたのは、トイレ問題。「(無人島なので)トイレないですよ」って最初にいえば、女性の方であっても諦めて納得してくれるんですよ。でもトイレがある無人島も存在していて、で、そのトイレが汚いとクレームになるんです。トイレすらない無人島はクレームにならないのに(笑)。
森:つまり無人島は「面白い体験」を買ってくれているので、サービス重視にしすぎると満足度が下がり「お友達感覚」の方がいいみたいです。
例えば僕らが魚を取ってきて分けてあげたとしたら、すごく感謝されます。でも最初から「魚が〜匹ついてきます」ってプランにしちゃうと、それは当たり前になりますよね。そういう関係性の方が、うまくいくようです。
情報とイノベーションを求めてHIU、箕輪編集室へ
──私が森さんに知り合ったのは箕輪編集室なので、オンラインサロンの話を伺います。最初は、HIU(堀江貴文イノベーション大学)にいらしたんですよね?
森:そうです。5、6年前に故郷の岐阜高山に帰ってきました。いい場所だけど田舎ですから、待ってていても情報は入ってきません。
そんな中ネットサーフィンをしていたら、HIUを見つけました。その頃は、堀江さんのことも「テレビで出ている有名人」くらいの認識。その堀江さんがイノベーション大学を作るとのことで、面白そうだなと思い入りました。堀江さんご自身もそうだけど、ここに集まる人たちが面白そうじゃないですか。その人たちと、面白いことができたらいいなと。
──HIUができた頃に入ったのですね?
森:そうですね。本当の初期ではないけれど、できて2年目くらいだったかな。世間的には「オンラインサロンって何?」って人の方が多かったと思いますよ。
最初は、オンラインサロンが何かもわからないなりに活動していました。HIUに入って最初にやったことは、合宿委員です。どこでもそうだけど、サロンで何か活動するとサロン内で少し有名になりますよね「〜をやった〇〇さんだ」って。僕も合宿委員をやったことで、知り合いが増えました。
森:その頃、堀江さんと会う機会があったんです。
高山って温泉の地熱を利用して栽培する温泉栽培が有名で「高山で土地が余ってるから何かできませんかね?」って堀江さんに聞きました。
堀江さんはすごく嫌そうな顔で「相談に来る奴は、家の土地が余っているとかそんなのばかり。そういうのは、だいたい失敗する。」と、バッサリと斬られました(笑)。
堀江さん曰く「例えば、ワインって有名な産地があるけど、土地が余ってるから、ぶどうの木を育ててああなったわけじゃない。ぶどうの木で一番いい場所を探したらたまたまそこだった。それがブランドに育った。だからやりたいものベースじゃないどだめだよ」と。
森:今思えば堀江さんらしいし、その通りなんですよね。まぁそんな感じで悶々としながらもHIUで活動している時に無人島に出会いました。僕にとって、オンラインサロンとは視野を広げてもらった場所と言えますね。
──幻冬舎の箕輪厚介さんを知ったのもその頃ですか?
森:はい。NewsPicks最初のイベントで、幻冬舎社長の見城徹さんを呼んで話を聞く機会がありました。箕輪さんはその時に司会をしていました。
箕輪編集室もまだなかったし、僕も彼のことを知りませんでした。その時にHIUの人が、箕輪さんを紹介してくれたんです。箕輪さんは今と同じノリで「無人島やってるの?いいねー!」って反応でした(笑)。
森:そこから彼とやりとりし始めて、その後箕輪さんがオンラインサロンを持って僕も関わるようになりました。
ただ歩む方向性がお互い変わったので、今は波の上商店(箕輪さんの会社)メンバーではないです。でも箕輪編集室にはまだいますし、時々投稿も見ていますよ!
新しい地方創生の形!人を呼ぶのではなく、自分たちから会いに行く
──箕輪編集室初期〜現在まで、森さんはどんな活動をされていたんですか?
森:その後は…波の上商店にまだいるときと平行して、今度新しくやるサービスキッチンカーのプロジェクトが始まっていました。
(キッチンカーサービス「GOODMAN KITCHEN」)
──車の中に厨房があるってことですか?すごいですね。
森:この事業は、去年立ち上げてファンドから出資してもらい今年の7月からはじまります。
今ってレストランにロケーションのいい客席を用意し、いかにお客さんに来てもらうか?って発想ですが僕らは逆です。ロケーションのいい場所にレストランを持っていけます。
──面白いですね!
森:ありがとうございます。ただ面白いことを〜というより、この事業は地方創生の狙いが強いんですよ。
キッチンカーをやりたかったというより、新しい地方創生の形を模索していました。飛騨高山のためになって、僕も面白いと感じるものを。その答えがキッチンカーだったわけです。
──なるほど、新しい地方創生を考えた時の手段がキッチンカーなんですね。
そうです。地方創生って、今だと大きな箱物を立てて「さあ、来てください」って人を呼ぼうとしますよね。僕らは逆で、自分達から会いに行きます。
だから基本高山でやるつもりはありません。県外でやります。でも車は飛騨高山ナンバーですし、レストランの家具に高山のものをところどころで使ったりしています。とはいえ「飛騨高山発のキッチンカー!!」と高らかに言う気もありません。
森:僕らは飛騨高山の発のベンチャー。
高山に人を呼ぶのではなく、高山からキッチンカーでいろんな場所へ行くことによって、その先で出会った人に「この人たちの住む飛騨高山ってどんなどころだろう?」と思ってもらえると嬉しいなと。それが僕らの考える新しい地方創生です。
注文の多いキッチンカー!?
──キッチンカーについて詳しくお聞きしたいです。森さん一人でやるのですか?
森:いえ、オンラインサロンで知り合った仲間4,5名でやります。
ちなみに全員副業です。副業の何が強いかといえば「仕事を断れる」こと。会社なら、気が進まなくても受けないといけない仕事だってあります。でもこのプロジェクトは、僕らが本当にやりたいことしか受けません。もちろん上から目線で言っているのではないですよ。
──わかります。先ほど言っていた「サービス」しすぎるのではなくて、いい意味で「お友達」の感覚ですよね。
森:そうです。ディスカッションしてお客さんと一緒に作り上げる楽しみを味わいたいんです。依頼する人は何を目指していて、何を実現したいのか?を話し合いながら決めたくて。目的を叶えるために生まれるレストランなんです。
だから申し訳ないけれど「いい感じでお願いします」みたいなざっくりしたご依頼は受けません。
依頼する側からすれば、ぶっちゃけめんどくさいでしょ(笑)。「200万円払うからやってよ」の方が楽でしょ!?でも、あえてやるからおもしろいかなと。
──いい意味で「注文の多いキッチンカー」なわけですね。
森:そうです!例えば椅子の位置ひとつとっても「景色が見やすいからこの場所に」とか、全部にこだわって理由のあるものにしたいんです。
ただあえて語りません。深堀すれば、全てに理由がある。だからそこに気づく人は、喜んでくれるかもしれないけど、気づかれなくてもいいんです。
「なんとなくいいな」と感じてもらえるものを目指したくて。「なんかいい」と感じることは、奥の心遣いが届いている証拠のはずですから。
──この車は今どこにあるんですか?
森:東京です。今まさに作っている最中で、6月の終わりに完成します。もう一台必要だなと思うので用意します。
──中に厨房があるってことですよね??
森:そうです。だから椅子とか食べる席は別のトラックに積んで移動します。食べる会場は移動した先にありますから。17メートルくらいのテントを買ったので、雨の日でもできます。
だから本当に移動してレストランを作っちゃうイメージです。その人の希望にあった「一夜限りのあなただけのレストラン」を作ります。
──食事の内容も決められるんですか?
森:はい、もちろん。それもどういう食べ物が好きか?という話し合いをして決めます。「思い出の味はこうで〜」という話が聞けるかもしれませんから。
──なるほど。じゃあプロジェクトメンバーの中にシェフがいるんですか??
森:いえ、シェフは呼んできます。今知り合いのシェフ数名にアンケートを取っています。出てきた意見としては「外で調理はしてみたい。だけど設備がしっかりしてないとしたくない」とのこと。設備をしっかりと整えることが課題だと感じています。
──面白そうですごく気になりました!ただ価格の想像がつきません。ざっくりでいいので、いくらくらいを想定していますか?
森:夜なら最低価格一人3万円くらいかな。めっちゃ儲けてやろうというより面白いことをしたいねって発想なんです。だから30人呼ぶなら3万円×30人で90万円。ただお客さんの人数や、やりたいことの内容でも価格は変わります。
森:とはいえ、金額ベースよりアイデアベースで考えたいので、お話聞いてみないとなんともいえないです。ご提案内容がものすごく面白ければ僕らも赤字覚悟でやりたいって思うかもしれない。逆もまたしかりです。
例えば「100万円で」って最初から金額を決めてしまうと、そのなかで利益をいくら確保して〜という発想になるでしょ。するとどうしても予算内で納めなければ〜って小さくなってしまう。
──「GOODMAN KITCHENがやるイベントなら面白いに違いない!」って思われるようなってことですね?
森:そうです!外で食べるサービスってまだ確立されていないから、GOODMAN KITCHENらしいサービスができたらいいなと考えています。例えば大阪なら、串カツで二度漬け禁止とかありますよね。そういうのでグッドマンらしいサービスを確立したい。
あ、でもマナーにうるさくなりすぎると食事が楽しくないから、楽しみ方って感じかな。
──森さんの取り組みって無人島もそうですけどワクワクしますね。
森:ありがとうございます。
無人島もキッチンカーと根本は同じなんです。無人島にくる人、かつ無人島が面白いと感じる人ってぶっ飛んでる人が多いんですよ。僕としては、そういう取り組みを面白がってくれる人と知り合えることが喜びなんです。そこでまた新たなビジネスが生まれるかもしれませんしね。
瓦屋さんでありながら、ある時は無人島、またある時はキッチンカーと面白いこと、新しいことにどんどん挑戦する森さん。これからの取り組みからも目が離せません!
「面白い人と知り合って、出会いの化学反応で世の中を面白くしたいんです。興味がある方はぜひ声をかけてください!」とのことです。
森さんへのお問い合わせ窓口。
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森さんのtwitter:https://twitter.com/morikawara10
有限会社森瓦店さん:https://www.morikawara-yane.com/
ヤバイ!無人島「ヤンバルコビト」:http://mujintou.okinawa/
GOODMAN KITCHEN:http://goodmankitchen.com/
(前田さん、森さん、浜田で記念撮影!)
取材・構成・編集・撮影:浜田綾