言葉で世界を変える──屋号を「WORDS」にした理由


──屋号を「WORDS」にした理由や、込めた想いについて今一度お聞かせください。


竹村:
WORDSに決めたのは、いろいろ検討したうえでの最終的な判断です。最初は編集者として独立するので、「エディターズカンパニー」という屋号を考えていました。

だた途中でちょっとひっかかって。エディターって、前に出るべき存在じゃなくて、助っ人に近いというか裏方なので。だからそのまんま「助っ人」っていう屋号を考えたりもしました。

──助っ人!そうなんですね。


竹村:
「助っ人の竹村さんに来てもらおう!」って感じが、いいなって思ったんです。「はい、助っ人です」ってね。

でもちょっとビジョナリーじゃないかなぁと。それに会社名で意外と「助っ人」ってあるんです。「助っ人●●」とかね。そうすると下請け感がすごい出ちゃうから。

それで「どれがいいかなぁ」って考えているときに、言葉を生業にするというか、言葉を武器にするのが一番難しいし、編集者としてそれがいいんじゃないかなと思って「WORD」の案が出てきました。ただ「WORD」だとマイクロソフトと重なるので、「WORD“S”」。WORDSだと意外と他になかったんですよ。それが屋号をWORDSにした経緯です。

あとこの先本が売れなくなっていくことを見越して、「言葉の専門家です、プロです」って言えば、WEBもできるし、広告もできるしという下心も実はありました(笑)。
最近WEB業界の人や広告業界の人にも結構会ってるんです。だから出版に限らずWEB広告も視野に入りそうだなと思って。それであればなおさら「WORDS」っていう屋号がいいんじゃないかなと。


──なるほど、編集というよりは、もっと広い概念で「言葉の専門家」という方向性なんですね。「言葉で世界を変えてやる」っていう。


竹村:
そうですね。「言葉で世界を変える」とはいえ世の中の事象はそんなにすぐは変わらないと思うんです。
でも言葉で見方を変えるだけで自分の世界は変わるはず。失敗も、よく言われることですけど、「次への挑戦だと思えば失敗じゃない」とかありますよね。


編集者になった理由

──今更なんですが、編集者になろうと思った経緯を聞いてもいいですか?言葉を大事にしている原点があるような気がして。


竹村:
編集者になろうと思った経緯は…。性格的には目立ちたがり屋なんだけど、引っ込み思案だったんです。自分が前に出たいんだけど、前に出るのが恥ずかしい、という自分の性格に一番合うなと思ったからかなぁ。


──書いて何かを表現したい、という感じですか?


竹村:そうそう。小学校ぐらいから、壁新聞とか作ったりしてました。新聞部とか入って、自分が書いたものに反応している様をみるのが好きだったんですよ。


ーそれを見て「ふふふ…」みたいな?


竹村:それです。あれだと恥ずかしくはないけれど、目立つことができる。自分の性格に合ってたんです。だから新聞記者をずっと目指してたんですけど、新聞記者って戦争の現場に行ったりしなきゃいけないかなと思って、それが怖かったっていうのもあってやめました。


──戦地に行かなくてもいい働き方もありそうですが(笑)。


竹村:
そうですよね(笑)。でもそういう気持ちがあったから「雑誌くらいがちょうどいいな」と思うようになって、マガジンハウスとかを受けようと考えてたんです。
ただ僕は1980年生まれで、就職氷河期が終わるくらいだったんですよね。その頃運悪くマガジンハウスは新卒採用してなくて、それで日本実業出版社入ったのが編集者になった経緯ですね。


──なるほど。勝手な想像ですが編集者さん=無類の本好きというイメージがあったんです。竹村さんは本というよりルーツは新聞。本に限らず言葉にフォーカスしていて今に繋がっている気がしました。


竹村:ああ、そうですね。本好きというよりは、「こんな面白い人いるよ」とか、「こんなことあったよ」みたいなのを人に教えるのが好きなんですよ。Twitterでも出てると思うんですけど、「誰々に会った」だの、「『カメラを止めるな!』の上田監督に会ってこんなこと聞いた!」とかをすぐ言いたくなるんです。それは自分が目立ちたいのプラス…、


──おすすめを言いたい!?


竹村:そう、おすすめを言いたいんでしょうね。「こんな面白い人いるのに何で知らないの?」っていう感じですかね。


──それわかります!やっぱり編集もそうなんだけど、広い意味で「言葉」で知らせたい、知ってほしいみたいな想いが強いのだと感じました。だから「WORDS」の屋号は竹村さんにぴったりですね。


竹村:そうですね、言葉の力を大事にしたいと思っています。
今って映像の時代とかいろいろ言われたりしますけどね。でもデザインの力もすごいと思っています。ビジュアルってもう一瞬じゃないですか。僕よりも前田さんが語ることですけど。1秒2秒、いや1秒もかかんないのか。0.何秒で伝わる。ほんとデザインの力ってすごいなって思います。


というわけで、次回は前田さんメインでWORDSのロゴが生まれた背景を聞いてみたいと思います。


***

テキスト:谷下 由佳浅生 秀明土田 真巳
取材:浜田 綾谷下 由佳
構成、編集:浜田 綾
写真、バナー:前田 高志

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

はずれ(いつかあたりがでるはず)
39

前田デザイン室・公式

元・任天堂デザイナー前田高志が率いるクリエイティブ集団、前田デザイン室の公式noteです。 「おもろ!たのし!いいな!」をモットーに、世の中に新しいクリエイティブを大量投下し続けます。 https://camp-fire.jp/projects/view/66627

WORDSのロゴができるまで。

編集者 竹村さんの屋号「WORDS」のロゴデザインが生まれるまでの過程を竹村さんと前田さんにインタビューしました。 竹村さんからはWORDSの屋号に込めた想いや、編集の話を。前田さんからはロゴが生まれるプロセス、デザイン思考についてお届けします。
2つ のマガジンに含まれています

コメント3件

こんにちは。質問させていただきたいのですが、途中にある「世界で言葉を変える」は「言葉で世界を変える」の誤りでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

──なるほど、編集というよりは、もっと広い概念で「言葉の専門家」という方向性なんですね。「言葉で世界を変えてやる」っていう。


竹村:そうですね。「世界で言葉を変える」とはいえ世の中の事象はそんなにすぐは変わらないと思うんです。
でも言葉で見方を変えるだけで自分の世界は変わるはず。失敗も、よく言われることですけど、「次への挑戦だと思えば失敗じゃない」とかありますよね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エーサさん
ありがとうございます!訂正しました。
お返事、ご対応ありがとうございます(早い!)。
何か深い意味があるのかと3分くらい悩みましたが、質問してよかったです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。