『答え』を探し出すのではなく『最適案』を導き出す。『DESIG-WIN』のキービジュアルはこうして誕生した。
みなさん、こんにちわこんばんわ。
前田デザイン室29期生 アンバサダー枠で、現在デザインの必殺技 カードゲームプロジェクトのリーダーをしているゆったんです。
現在前田デザイン室では、遊んで学べる デザインの必殺技 カードゲーム「DESIG-WIN(デザウィン)」を制作しています。なぜこのプロジェクトが始まったのか。また、デザインの必殺技ってなに?という方はプロジェクトのマガジンから以前の投稿を先にご覧くださいませ!
このプロジェクトは、前田デザイン室 室長でもあるデザイナー 前田高志さんの書籍 『勝てるデザイン』に収録されている勝てるデザイナーになるためのワークから誕生しました。この書籍がなければこのプロジェクトもなかったといっても過言ではないです!
こちらも3月17日(水)発売なので、合わせてご予約どうぞ。
さて、こちらが先日完成したデザインの必殺技 カードゲーム DESIG-WINのキービジュアルです。今回はこのキービジュアルを制作していく過程を書きたいと思います。
▲デザインの必殺技 カードゲーム DESIG-WIN▲
1.キービジュアルを作ろう
プロジェクトも進み始めていた12月22日(火)
前田さんからとある言葉をいただきました。
仮でもいい!今キービジュアルが欲しい
そのビジュアル=プロジェクトという認識になるので、参加している人たちの旗印を作ろう!という理由でした。そこから、仮のビジュアルを作るための募集が始まったのです。
まずはビジュアルももちろんですが、タイトルも決めていきます。
ロードオブDESAWIN
Road to Desigwinner
DEZIWIN ROAD
デザインファーム
デザインヴィクトリー
WINNING DESIGN
DESIWIN DOJO
レベルD
オーダーグラフィカ
ニューオーダー
デザWIN ドライブ
デザインクエスト
デザインランク
デザインギルド
クライアントキラー
…など100を超えたのではないかというくらいの案をみんなで出しました。
そして、パッケージも同時進行で進めていきます。
▲鰻さん(@working_unagi)作▲
▲シンさん(@shinworks_net)作▲
▲ひさこさん(@hi_sa_ko__)作▲
▲Ayakaさん(@AykPlus)作▲
たくさんのデザイン案が出ました。
どれを選んでもいいくらい一つ一つに思いが込められているように感じました。そして、僕はずっと募集している間思っていたことがあります。
この中から、デザイン案を選ぼう!
だって、どれも素晴らしいんだもん。スケジュールもあるし、この中からいいものを選んで、それをキービジュアルとしてプロジェクトを進めていこう!
そんな思いで挑んだ全体MTG。
1回目…2回目…
あれ?
全然決まらない…回を重ねていくたびにすごく焦ります。なぜならプロジェクトのスケジュールを見るともうすでにキービジュアルが決定していて、カードデザインの作業に取り掛かっている日程だったからです。
2.イイモノを作る
なんで決まらないんだ…と悩み続けて、迎えた3度目の全体MTG。
そして、そこでの前田さんの一言が僕にぐさっと刺さったのです。
「イイモノをつくろうよ」
そう。僕はみんながやりやすいように。なるべく多く巻き込んで、みんなに楽しんでもらいたい。それを最優先してしまっていたのです。コミュニティ的な考え方が、先行してしまっていました。
ただプロジェクトではそうではない。
一番大切なのは『イイモノをつくる』ということでした。
『イイモノをつくろう』と動いていれば、自然とその周りに人が集まってくる。まさに稲妻のような衝撃が起きた瞬間でした。
僕は今まで集めていたパッケージ案やタイトル案から「答え」を探してしまっていました。けれどそうではなく。みんなから集めていたデザインを『イイモノ』を作り上げるための参考とする。まさに「最適案」を見つけ出すための作業だったのです。
僕は自分自身の考えがずれていたことにずううんと落ち込んでいた時もありました。でも、落ち込む事なんかなくて、それに今気がつけてよかったし、下を向かずに前を向いて頑張るぞ!という自分への励みとして、やり切ろうと改めて決心したのです。
3.壁打ち、制作、壁打ち、制作
前回の全体MTGで稲妻のような衝撃を受けたときに前田さんからヒアリングも足りていないと言われました。それもグサッとクリティカルヒットしていました…。
正直僕は人に相談することが大の苦手なのです。理由は自分に自信がなくて今考えていることが本当に正しいのか否定されてしまうのではないかといろいろモヤモヤと考え込んでしまうから、今回のプロジェクトもなるべく自分で考えて出した答えで突き進もうとしてしまっていました。
でも、今はもう苦手とか言っている場合ではない。
純粋に『イイモノ』を作りたい一人のプロジェクトリーダーとして、わからないことはすぐに確認するように動きました。早速僕は前田さんと直接会ってサシでMTGをし、僕がキービジュアルを制作することになりました。
目指すキービジュアルのイメージがこちら。
・知育玩具/パズル的なもの
・知的な感じを出す
・デザイナーの初学者・中級者向け
・デザインの何かということがわかるグラフィック
・デザイナーが好きそうなグラフィック
・RPGなどのゲーム感
そして、僕が汲み取って制作したものがこちら。
ここでいただいた意見が「パッケージだけ考えすぎてしまっている」ということ。パッケージのデザインだけを考えてしまっているので、コンセプトというよりも好みの問題になってきてしまっている。
グラフィック×知育玩具×ゲーム感
この3つをうまくイメージに落とし込みたい。
さらに僕の制作は続きます。
今度はビジュアルに寄りすぎず「グラフィック×知育玩具×ゲーム感」をうまく併せ持ったものを想像しつつ制作しました。ただ意味を詰め込みすぎてしまったせいで「あまりよくわからない」と話がありました。
そこで前田さんが、やっぱり書籍から出るものだし…本に関連したもの…例えばカードのバインダーとかどうかな?と作り出していただいたのがこちら。
な、なるほどすぎる…。
シンプルかつ、スタイリッシュで、カードゲームとも捉えられる。
僕はいろいろと考えすぎてしまい、たくさんの要素を詰め込もうとしてしまうから、思いの交通渋滞が起きてしまっていたんだなと思いました。なので、今度は意味を詰め込みすぎず、極力ビジュアルで魅せるイメージでいくつか作成しました。
ただ、まだしっくりこない。
うーんうーんとまた頭を悩ませつつ、運営のひさこさんに相談してみると「ひとことでDESIG-WINって結局なんなの?を伝えられるのがキービジュアルなのでは?」というまた衝撃をうける気づきをもらえました。
そうか。
キービジュアルを見たときにこれがなんなのか。
"ひと目"でわかるように作ることが大切なんだ。
今まで作ったものも見直し一言でビシッと決まるものを4つ作りました。
この案を見せつつ、前田さんからは「キャッチコピーは、デザインの必殺技カードゲームでいいと思う」という意見を頂き、そして一つのビジュアルに絞られました。
▲前田さんに提案していただいたパッケージ(ほぼ完成に近い…!!)▲
そこからも細部の詰めは続きます。
▲アイコンを変えてみたり▲
▲カードのバインダーをそのまま入れたり▲
「アイコンがツール的な感じになっているから、アイコンを抽象化するか玩具っぽさを出してもいいと思う」という意見を頂き、またさらに詰めます。
▲アイコンを抽象化したバージョン▲
▲玩具っぽさをフォントで表現した切り口▲
そして、ここで前田さんから「おお〜いいね!」と!
箱のDESIG-WINを取り外してみて!といわれ、完成したのが。
そう、完成したキービジュアルです。
本当にここまで長かった。
僕の考え方の違いから始まり『イイモノ』を目指すために、前田さんをはじめ運営のひさこさんや、前田デザイン室のZOOMにいたみんなに支えてもらいつつ、アドバイスをもらいながら完成したのがこのビジュアルです。
僕一人ではできませんでした。
ただ、僕自身も恐怖感があった質問・相談をするということを克服しようと動いたからこそ完成しました。
正直、キービジュアルが完成しただけで、まだこのカードゲームはスタートラインに立っただけです。でも、確実に僕自身の意識が変わったのとこの過程でさらにチームの結束力が高まったのではないかと思います。
4.さいごに
前田デザイン室のカードゲームプロジェクトでは常にデザインをしてくれる方、テストプレイに参加してくれる方、カードの内容を考えてくれる方。常に募集しています。
もし、このnoteを読んで興味を持っていただけましたら是非前田デザイン室のカードゲームプロジェクトにご参加ください!
このキービジュアルを提げて、ますます加速するプロジェクトにお力を貸していただけると嬉しいです。
お待ちしております。